診療案内前立腺肥大症

前立腺肥大症とは

前立腺肥大症は、年齢とともに徐々に肥大した前立腺によって尿道が狭く圧迫されることで、排尿困難感、排尿に時間がかかる、頻尿などの症状を認めます。場合によっては自力では排尿ができずに尿道から膀胱へ管(カテーテル)を挿入する必要が出てくる場合や腎不全に至る可能性もあります。前立腺肥大による排尿障害に対しては一般的に薬物療法が第一選択とされています。薬によって肥大した前立腺や尿道の筋肉を緩めて尿が出やすくすることにより、自覚症状の改善を期待するものです。多くの方が薬物療法によって症状は改善しますが、十分に改善しない場合、一度は改善したものの徐々に悪化する場合、薬の長期服用を避けたい場合や自排尿ができないなど症状が重症な場合には、肥大した部分を切除する手術が行われます。

検査・診断

質問表
排尿状態を評価するための質問表で、前立腺肥大症の重症度を評価することが可能です。
国際前立腺症状スコア(IPSS)とQOLスコア
排尿記録
1日の排尿量や排尿回数を、日誌に記載して頂き、1日の排尿状況を評価します。
尿検査
尿の混濁の有無や潜血の有無などの評価を行います。
血液検査
腎機能の悪化を来す場合もあるので、腎機能評価を行ったり、PSA値で前立腺癌の有無のを調べます。
尿流量検査
尿のでにくさを、排尿スピードや排尿量などを視覚的・客観的に評価します。
日本泌尿器科学会.男性下部尿路症状・
前立腺肥大症診療ガイドライン. 2016
残尿エコー
超音波検査で、排尿後の残尿量を評価することで、前立腺肥大症の重症度を評価します。
前立腺エコー
超音波検査で、前立腺の体積を評価します。体積が10-20 mlを正常範囲と考え、それ以上であれば前立腺肥大症を考えます。30 ml以上の場合には排尿障害をきたす可能性もあるので、投薬で前立腺の縮小化や外科的手術も選択の一つになります。
内視鏡検査
膀胱カメラを尿道から挿入し、前立腺肥大症による尿道の狭小化や、膀胱への影響を調べます。外科的内視鏡手術の前には行うことがあり、詳細は担当の医師に相談して下さい。
尿流動態検査
前立腺肥大症による膀胱機能への影響を、カテーテルを用いて膀胱内圧を測定し評価します。外科的内視鏡手術の前には行うことがあり、詳細は担当の医師に相談して下さい。
尿流動態検査

治療

行動療法
生活習慣病と下部尿路症状との関連は深く,生活習慣を改善する患者自身の行動そのものが治療となりえます。特定の方法だけでなく, 各種の方法を統合的に実施することが望ましく。まずはじめに取り組むべき療法であり,しばしば薬物療法とも併用されます。(体重減少、運動、食事指導、禁煙、膀胱訓練などありますが、詳しくは担当医にご相談下さい。)
薬物療法
前立腺肥大によって狭くなった尿道を広げる薬や、前立腺を縮小させる薬、排尿に関わる筋肉をリラックスさせる薬などあります。患者さんに適した薬を選択し、場合によっては薬を2剤以上併用することもあります。
外科治療
薬物治療の効果が不十分であったり、副作用があり服用が継続できない場合、排尿ができずにカテーテルを用いての排尿になったり、膀胱結石や繰り返す尿路感染症をきたす方には、外科的治療を検討します。一般的には内視鏡手術で、腫大した前立腺を内視鏡で削る方法(経尿道的前立腺切除術)が一般的ですが、当科では手術後の合併症やカテーテル留置期間が少なく、抗血栓薬を中止できない方でも受けられる、光選択的前立腺蒸散術(PVP)を採用していて入院期間も少なくて済みます。詳しくは外来担当医にご相談下さい。