化学療法について

前立腺がんに対する化学療法

前立腺がんに対する治療法は早期のものであれば前立腺摘除術、放射線治療が適応になりますが、リンパ節転移や遠隔転移を有する場合には全身治療が必要となります。 全身治療としてはホルモン療法が最初に行われ、多くの場合有効ですが、治療を継続していくうちにホルモン療法が効かなくなることがあり、その状態を去勢抵抗性前立腺がんと呼びます。

去勢抵抗性前立腺癌に対しては化学療法が有効であり、ドセタキセルという抗がん剤が使用されます。当院におけるドセタキセルの治療成績を紹介します。

対象

2006年から2014年までに、愛知医科大学病院でドセタキセルによって治療された去勢抵抗性前立腺癌患者33名

患者背景

  value
年齢
中央値(歳) 74
範囲(歳) 57-81
血清PSA値
中央値(歳) 52.9
範囲(歳) 0.2-6790
performance Status(ECOG)
0 18
1 13
2 2
前治療
CAB療法 33(100%)
AWS確認 29(88%)
抗アンドロゲン薬交替 24(73%)
エストラサイト 26(79%)
デキサメサゾン 18(54%)

投与量

投与量 n
60mg/屐2006-2011)
3週毎投与 0
4週毎投与またはその他 24
70mg/屐2012-2014)
3週毎投与 3
4週毎投与またはその他 6

投与サイクル数

投与量 中央値 範囲
60mg/屐n=24) 7 1-58
70mg/屐n=9) 4 1-15
全体(n=33) 6 1-58

有害事象(grade3以上)

投与量 60mg/屐n=24) 70mg/屐n=9) 全体
貧血 0 0 0(0%)
好中球減少 13 4 17(51%)
発熱性好中球減少 0 0 0(0%)
血小板減少 1 0 1(3%)
食欲不振 7 2 9(27%)
嘔気、嘔吐 5 2 7(21%)
口内炎 2 0 2(6%)
疲労 4 1 5(15%)
肝機能障害 1 0 1(3%)

有害事象(grade3以上)

 

PSA奏効率

 

これら生存率やPSA奏効率は諸家の報告と同等かやや上回っています。

尿路上皮がん(膀胱がん、腎盂がん、尿管がん)に対する化学療法

尿路上皮がんに対する治療は、限局している場合は経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)や膀胱摘除術、腎尿管摘除術などを行いますが、リンパ節転移や遠隔転移を有する場合や、再発リスクが高い場合には手術前や手術後に化学療法が必要です。
尿路上皮がんに対する化学療法は、作用機序の異なる複数の抗がん剤を組み合わせて行います。

尿路上皮がんに対する抗がん剤の種類

・GC療法(シスプラチン、ジェムシタビン)
・MVAC療法(メトトレキサート、ビンブラスチン、アドリアマイシン、シスプラチン)
 ※腎機能の悪い方はシスプラチンの代わりにカルボプラチンを使用することがあります。

当院における尿路上皮がんに対するGC療法の治療成績を紹介します。

対象

2008年11月より2013年7月にかけて当院においてGemcitabine-白金製剤併用化学療法を施行した進行尿路上皮癌患者31例

患者背景

性別 男性 24例(77.4%)
女性 7例(22.6%)
年齢 68.2(±8.7)
癌腫(重複含む) 膀胱癌 16例(51.6%)
腎盂癌 8例(25.8%)
尿管癌 9例(29.0%)
前治療 手術 12例(38.7%)
放射線治療 1例(3.2%)
化学療法 7例(22.6%)
なし 9例(29.0%)
転移部位(重複含む) リンパ節
 骨盤 13例(41.9%)
 傍大動脈 7例(22.6%)
 腎門部 4例(12.9%)
肺 5例(16.1%)
肝 2例(6.5%)
骨 2例(6.5%)
副腎 1例(3.2%)
治療前eGFR
(ml/min./1.73m2)
59.8(±15.4)
施工レジメン Gemcitabine + Cisplatin 26例(83.9%)
Gemcitabine + Carboplatin 5例(16.1%)

方法

Day 1,8,15にGemcitabine 1000mg/m2、Day 2にCisplatin 70mg/m2を投与。腎機能不良例に対してはCisplatinに代えてCarboplatin AUC 5を投与。21日を1クールとして1-3クール施行しRECISTにより近接効果を判定した。

有害事象

血液学的毒性 Grade 1-2 Grade 3 Grade 4
白血球減少 11 18 1
貧血 20 7 3
血小板減少 17 11 3
非血液学的毒性 Grade 1-2 Grade 3 Grade 4
嘔吐 4 0 0
下痢 10 2 0
口内炎 5 0 0
感染 1 13 0
発熱性好中球減少症 - 3 0

生存率

 

この治療成績は諸家の報告と同等でした。

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