分子標的薬治療について

当院にけおる腎細胞がんに対する分子標的薬治療について

腎細胞がんは、腎臓にできる悪性腫瘍の1つです。 腎細胞がんは、放射線治療、抗がん剤による化学療法はほとんど効果がないことが分かっており、手術による腫瘍の切除(転移巣も含めて)が治療の基本です。

しかし、原発巣や転移巣が切除不能な場合には、薬物治療が必要となります。腎細胞がんに対する薬物治療は、インターフェロンα、インターロイキン兇鮖藩僂靴震髪嵶屠,主に行われてきましたが、2008年より分子標的治療薬が保険適応となりました。 当院では切除不能な腎細胞がん患者さんに対し、分子標的治療薬を使用しています。

当科での取り組み

標準投与量に対する実際の投与量の治療強度を評価する指標として、Relative Dose Intensity (RDI)と言われるものがあり、RDIを高く保つことは分子標的治療を行う上で非常に重要です。

当科では、RDIを高く保つために医師はもちろんのこと、薬剤師、看護師などのコメディカルスタッフと連携し、患者さんの訴えにしっかりと耳を傾け、副作用に対して迅速かつ的確に対応するシステムを構築しています。その結果、副作用による薬剤の減量や投与スケジュールの延期を最低限に抑え、その薬剤の抗腫瘍効果を最大限に引き出すことが可能となっています。当科での取り組みとその治療成績(スーテント)を紹介します。

 治療効果を最適化・最大化するためには、3つの要素である、十分な投与量、最適な副作用マネジメント、十分な治療期間ということがかかげられています。しかし、分子標的薬には下記のような欠点があります。

スニチニブ(スーテント)の欠点

・血液毒性が多い。
・口内炎による食欲不振や全身倦怠感などにより患者さんの元気がなくなってくる。

そこで愛知医科大学病院においては、

1 RDIを高く維持する。
2 有害事象対策を丁寧に行う。

上記を目標として、外来、薬剤部との協調を行っています。

 

分子標的薬の管理においては血圧が非常に重要ですが、患者さんがきちんと血圧測定をしてくれなければ、こちらも適切な管理ができません。そこで、下記のようなツールを指導に用いています。

 

当院の病棟専任薬剤師が、実際の現場で高血圧をどのようにマネジメントするかについて、下図のようなマニュアルを作成しました。

 

 
当院のRDI結果です。AUCと治療効果は相関するとの報告があるため、RDIは可能な限り高くキープすることが望ましいのではないかと考えられます。

 
RDIを高く保った結果、無増悪生存期間は諸家の報告よりも長い結果が得られました。

これらの結果より、薬剤師との関わりは治療に貢献できると考えています。

 

 

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