腹腔鏡手術について

腹腔鏡手術について

 腹腔鏡手術とは、従来の体にメスを入れ大きな傷をつけて行う手術とは異なり、小さな穴を開け、二酸化炭素でお腹を膨らませて、カメラと細い手術器械を用いて目的の手術を行う方法です。従来の開腹手術と比較して、出血量が少ない、術後の痛みが少ない、回復が早い、美容上に優れているのが特徴です。また手術室にいるすべてのスタッフが視覚的な情報を共有できます。

 当院では、泌尿器科疾患に対して2008年8月より腹腔鏡手術を導入しました。
腹腔鏡手術は従来の手術方法と異なることから、日本泌尿器科学会/日本泌尿器内視鏡外科学会/日本内視鏡外科学会が独自の基準で2004年から「泌尿器科腹腔鏡技術認定制度」を開始しました。当科におきましては住友教授、中村准教授、金尾講師、全並助教の4名の認定医が在籍しており、これら技術認定医が全ての手術に執刀医あるいは指導医としてはいり、安全確実に手術を施行することを第一としております。

腹腔鏡下腎摘除術

開腹による腎臓の摘出手術は、腹部を20〜30cm程度切開し、大きな傷を付けて行うものです。傷の痛みが強く、術後の回復にも時間がかかり、大きな傷跡が残り、美容上も良い状態とは言えない手術です。 腹腔鏡下(または後腹膜鏡下)腎摘除術は3〜5本の小さな穴(直径5mm〜15mm)程度の穴を開け、腎臓を摘出する手術です。切除した腎臓を体外に取り出すための5センチほどの手術創で摘出できるようになりました。 手術時間はおよそ2-4時間です。

腹腔鏡下腎部分切除術

小径腎腫瘍の手術療法として標準的な治療法となりました。腎臓を部分的に切除する手術は、片方の腎臓をすべて摘出する手術に比べると、手術操作が煩雑で時間もかかります。腫瘍を切除し、腎臓を縫合し手術を終了します。

 

当施設では、合併症の軽減や手術時間短縮を図る目的に、腎臓を縫合しない術式(ソフト凝固)を取り入れております。ソフト凝固を使用することにより、腎実質縫合による動脈瘤などの合併症のリスクを軽減します。

腹腔鏡下腎尿管全摘除術

腎尿管全摘除術は、腎臓、尿管、膀胱の一部を一塊に取り出す手術です。腎摘除術と同様に、従来の開腹手術では腹部を20〜30cm程度斜めに切開し、大きな傷を付けて行うものでした。腹腔鏡下腎尿管全摘除術は、3〜5本の小さな穴(直径5mm〜15mm)程度の穴を開け、腎臓と尿管を遊離します。その後に、下腹部に約7cmの傷をおいて、膀胱の一部を切除した後に、腎、尿管、膀胱の一部を体外に摘出します。

当施設の取り組みとして、高齢者、比較的早期の腎盂がんに対して、手術時間短縮を図るために、尿管引き抜き術(stripping法)を取り入れています。従来の下腹部正中切開を加える手術と比較し、傷が少なくなりますので術後の痛みの軽減と手術時間を短縮が見込まれます。
(Nakamura K, Zennami K, Sumitomo M et al.: Asian J Endosc Surg. 2012 Feb;5(1):42-5.)

  

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